アンビエントドローンと呼ばれる音楽ジャンルがあるらしい。ずっと、みょーんって音が鳴ってる何時間もある音楽のことをいう。聞いてると不快な気持ち悪さがある。
聞いてると全然集中できなくてそれ以外のことを考える。いろんなことを思い出そうとする。音は現在進行形で身体が受け入れてるのに、離れて忘れる。頭の中では虹プロの超かわいい曲が流れる。今鳴ってる音のことは受け入れないでいる。
その矛盾がたのしい。
音楽を聴くって行為がとてもないがしろになるからこその不思議な感覚。
思い出すことと、忘れることが逆転する。
アンビエントドローンのみょーん音と頭の中の虹プロと窓の外の雨の音を眠れないわたしは処理してる。
高校生の頃好きになったバンドがNINだった。それからずっと聴いてる。来日ライブは行き逃した。このバンドの脳みそが嫌がる音をさせるとこが好きだった。
ねむいときによく聞く。不快なものは目につく。でも、不快という表現はよくないかもしれない。でも、このバンドの嫌な音は目が覚める。
受け入れ難さが好き。その際のズレと矛盾がわけがわからなくてずっと聴いてる。
音楽は詳しくない。わからないことが多い。知識がない。
受け入れやすいものが多い。友達も、自分では受け入れやすい人をどうしても選ぶ。
それでも、触れたり、聴いたり、見たり、実感以上の関わりの裏で全くちがうことが、頭の中に浮かんでぼーっとすることしかない気がする。
その全くちがうことの中の無意識に自己があって、思ったより絶景が見せてくれたりなにかと悦楽に繋がってる。
目の前のひとや芸術、映画に対しては極めて失礼なスタンスなんですけどね。
その無意識に、おいで〜って手招きしてあげるためだけに映画を見たりしてる。
知識にも、自分の糧にもならない。人生は変わらない。他人の気持ちもわからない。
そう何度とない感覚に入るのが忘れられなくて、期待しつづけるために、記憶を増やして、気に入った人と関わっていく。
受け入れ難さと出会ったときに、受け入れやすかったものの深い煌めきが見える。虹プロはいつだってわたしをハッピーな感じにしてくれることが証明された。