誰に見せるわけでもなく、観た映画について個人的に綴ってたり綴ってなかったりしていました。ちょっとずつ小出しにしていきたいです。
今でこそ大切な映画が心の中にありますが、何十年経ったら忘れるかもしれないからわたしの好きな映画はどこの誰でもよいからひとりでも多くの人が見てくれたら嬉しいです。今は好きでいれるけど、好きでい続けられないような未来もあるかもしれないからどっかに留めておきたいんです。それが他者の記憶の中にだとしたら、何よりもいいことです。
中でも好きなものについて。気になったらすぐTSUTAYAに行きましょう。並び順に意味はないので順不同の極みです。
うる星やつらの登場人物がどんどん消えてって
、同じ時間を繰り返す。一見ゾッとするこわいはなし。うる星やつらっていう安心して見れる土俵でこういうことをやるのが不気味で、身近なものがよくわからなくなるからこそとっても魅力的。
ストーリーでおもしろいとか、良い出来のものが心に残る映画ではないというのが勝手な持論です。頭にこびりついて離れなくなる一瞬でも、シーンでもカットでも台詞でもがある映画が最たるものだと信じてます。
この映画にはそういったものがいくつもあります。
監督・押井守の哲学や映画についての映画だとか言われていますが(わたしはあたまがわるいからそこらへんよくわからないです)ラムちゃんがみんなとずっと一緒にいたいと願う想いが狂気と隣り合わせであることが恐ろしくもあり、どこまでも儚くて美しいんです。
三人が走る、歩く、止まる、車で突っ込む。それだけでおもしろい映画。裏を返せば、わたしたちもしているような動きそのものが映画をおもしろくする要素であり映画的であるということなのかもしれないです。
三人という微妙な関係性の中で結局いつまでも蚊帳の外な主人公が、自分と重なってしんどいです。うまく人と関われなくても、何も成し遂げられなくてもある時に全力で何かに翻弄されたり恥ずかしいくらいムキになったりしたことこそがかげえのないものかもしれないと思える映画。
③キッズリターン/北野武
終わり方がかっこいい。
一定の距離を置いたカメラワークや登場人物との距離感に対して、久石譲の込み上げるような音楽が流れ相反するときに映画が完成しているようです。
若者が夢を追うことについて、常に社会の冷たさは付いて回るものだということに自覚的になれます。それでも、爽やかな気分で終われる青春映画。
今敏の映画が好きで、中でも特に好きなのが『千年女優』です。この作品で明確なテーマは曖昧となっているとも思うのですが、愛と野望を追うことを同一化し、そこに生じる感情に境界はないのではないかと感じました。どちらとも言えないけれど、主人公の千世子がとにかくとてつもない熱量で臨んでいくことが今敏の映画つくりとも重なる気がしています。
⑤シンプルメン/ハルハートリー
さまざまで複雑な関係性。誰に共感するかなんて見たひとそれぞれ。違和感なのか自然なのかもわからない映画のつくりかた。それら全部ひっくるめて、最後にはわたしたちが確かに知っているけれど名前がつくことのない感情を思い起こすことになる、唯一無二の感覚を味わえる映画。シンプルメンを見て、映画は言語にすることができないものを浮かび上がらせるものだということが身をもってわかった気がしてます。