見返した。
高校生のときにみて、それ以来に見たような気がする。
何度見ても時間が経ってもよくわからない映画だけど、自分のなかで本当に大切にしてる映画でもある。
映画ってどうしてこんなにいいんだろうって思って少ししんどくなった。
自分にとって、いちばん幸せな感動であり続けてくれる。
時間が流れることと、こんなに少ない感情でただ寄り添うことが如何に尊いか、それと相反するように海は在るだけで物語にとっても映画にとってもすべてを含んで語ることができる。
特にどう感じて何を考えるかは自由な映画だけど、観たときに暴力のない世界はないっていう確信が湧く。
弱者がささやかに喜んだり悲しんだりすることはどんなに世界がよくなっても絶対に叶わないなかで、それを望み時間を過ごすことの綺麗さがわかる。
いつでも強大ななにかと近くにいながら、それでも喜んだり悲しんだりする。
暴力なんてでてこないこの映画に、なによりも暴力を感じる。だからこそ美しいものも感じる。この映画の正体がわからないことがこわい。わたしのなかで本当に大事な出会いだった一本。