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駄文の溜まり場

最近なんでもすぐ忘れるので

カルテット4話くらい

 

 

 

 

まきさんが席を立っていた時に演奏を弾く振りをしろと告げられていた時のやり取りがすごかった。

泣いちゃうすずめちゃん。俺が断ってくるという家森さん。家森さんが名乗り出るのがまたいい。

 

 

 

 

家森さんは普段は情けないけれど、誰よりも社会的な意味を付随させずに的確に物事を見れる人である。しかも良心を持ってそれを行える人情味溢れる人物だ。それが故に結婚・仕事などの社会を形づくる要素にはめっぽう弱い。彼の魅力の長所と短所は常に表裏になっていて、相反する要素の間にあるのは葛藤であり、矛盾であり、それこそが人間性の正体である。家森さんの人物像はまさにそれだ。

そして、それと間反対にあるのが別府さん。社会を形づくる要素、家族・仕事・役割から物事を見ている。ゴミ当番のエピソードなんかは、彼のそういった思考がよくでている。物事をそういった誰にでもわかる要素でしか見れない人は人並みであり、表現をしても誰かと同じにしかなれない。別府さんがプロになれなかった理由はそこにある。でも、要素に囚われるが故に家森さんのような人よりは具体性と計画性をしっかりと認識しているため社会に出て自分の居場所を見出している。一言でいうなら、現実と向き合っているのが別府さんの長所。そしてこれは家森さんと同じように、相反する要素の間で揺れている。向き合っているが故の長所と向き合いすぎているが故の短所によって別府さんはつくられている。

家森さんと別府さんは間反対の人間で、男性陣のおもしろさはそこだと思う。

 

 

女性陣も同じように、まきさんとすずめちゃんの関係も間反対の要素を含んでいる。だが、まきさんもすずめちゃんの物事の視点・考え方はお互いによく似ている。

例えば、すずめちゃんのお父さんが死んだ時に、すずめちゃんは逃げたがった。すずめちゃんは社会・世間の目に痛めつけられ、そういうものと一線を引いて今まで生きてきた。すずめちゃんがずっと求めていたのは家族という社会を構成する要素の中にいる自分を騙したひどい人間(すずめちゃんのパパ)ではなく、どんな関係性のどこのどいつでもいいから自分を救ってくれるひとの存在であった。すずめちゃんにお父さんから逃げていいと告げ、家族という呪縛から救い出してくれたのがまきさんであり、すずめちゃんに魔女ではなく一人の人間として向き合った初めての存在だった。

前途した家森さんのように、まきさんもすずめちゃんも社会という枠にとらわれずに物事を考える人間だ。このように、カルテットドーナツホールは社会からのはみ出し者で構成されている。社会とうまくやれず、関わり方と役割について疑問を抱き続けてきた者たちで構成された集合体だ。ただ、別府さんだけは3人とは違う。なんとなく好きな時に好きなように暮らす(突然七輪で焼肉始めたり)3人とは違う。別府さんはゴミ出し当番を決め、役割をつくろうとする。カルテットドーナツホール内に対し、社会という仕組みを取り入れようとする。だが、別府さんのこのこうるさい行為がなければ生活は成り立たない。別府さんがいなければゴミはたまり、ゴミ屋敷になり検挙されてしまう。やはり、社会を見ようとしない人間に生活を営む権利は与えられてはいない。

 

話を女性陣の関係性に戻すと、ふたりの間反対の要素は嘘に対しての立場だ。まきさんは夫との唐揚げ事件からもわかるように、嘘に対して敏感である。嘘のない、正直な人間に救いを求めていた。まきさんがすずめちゃんを家族という呪縛から救ったように、まきさんもすずめちゃんという正直で純朴な人間と関わることで救われていたのだ。だが、すずめちゃんは嘘からまきさんと知り合った。まきさんが最も嫌うものをきっかけに出会い、まきさんが求めていたものを与えた。騙すか騙されるかの立場の違いがふたりの間反対である。騙した人間に救われるすずめちゃん、救われた人間に騙されていたまきさん。罪を犯したすずめちゃんをまきさんは許すのか、すずめちゃんは罪をどう償うのか。女性陣ふたりの関係性は許すか、許されるかを含んでいる。

 

騙しつつ、騙されつつ救いあっていたふたりの関係にヒビを与えたのが淀みちゃんこと吉岡里穂演じるアリスちゃんである。わたし自身、このドラマにおけるアリスちゃんはただの綺麗どころだと思っていて、こんな役割を担う人物になるとは思っていなかった。綺麗どころとしてのアリスちゃんのキャラクターはすごく好きで、吉岡里穂もよくあっていた。けれど、新たな役割を与えられた人物像に吉岡里穂の演技・存在が昇華し切れてないと感じてしまい、なんだか残念だった。そりゃ松たか子満島ひかりに囲まれていたら存在は薄れてしまうかもしれないけれど、負けないでいて欲しかったなぁ。でも吉岡里穂好きだから女優さんとしてこれからも応援し続けます。

 

 

そんなわけで来週も楽しみです。毎週が楽しみになるので、好きなドラマがある生活ってすごく素敵だなって日々感じてます。