駄文の溜まり場

最近なんでもすぐ忘れるので

ゴダール

 

 

気狂いピエロをもっかい観た。何年ぶりだろ。映画館で観れてよかった!

 

作品を通してむき出しになるゴダール自身の抱く観念を画面越しに共有した時にゴダールという作家のことが愛しくてたまらなくなる。そんでそれと同時に作家の味わった苦悩を追体験する。そうするとこっちまで切なくなっちゃってもうどうにもこうにもやりきれない…。ゴダールの作品を見てるとほんともう胸が苦しくなる。

愛して嫉妬して追っかけて追っかけられて突き放してくっ付いて。相反するモノに挟まれて混乱してみっともなくなり続けるのは人と関わる上で付き纏い続ける問題なんだろうな。

ゴダールの作ってくれたものは悲しい嬉しい好き嫌いとか、それらのどっちか!って断言できないような正体のない・実態の掴めない感情を抱える心地悪さを知るすべてのひとへの励ましなのかもしれない。少なくとも自分は励まされた。

 

ゴダールの分身をよく演じるベルモンドは弱くてださいけど、主役になりきれない人間は弱くてダサいことたくさんしなきゃかっこよくなんてなれないんだよな。負の要素を持ち合わせつつ、それがあるからこそかっこよくあるのは一番難しいのかもしれない。わたしもがんばろ。